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工具を売った時、確定申告は必要?税金の基礎知識

自宅で使っていた電動工具を1台売るだけなら、税金はかからず、確定申告もいらないのがふつうです。所得税法は、家具や衣類のように生活で使う動産の売却益を非課税にしています。電動工具もDIYや家の修繕に使っていたものなら、この生活用動産に入ります。

例外は2つ。1つは値段が大きい場合で、もう1つは仕事の道具や転売目的の場合です。

ここに書くのは税の一般的な仕組みです。個別の判断は、税務署か税理士に確認してください。

生活用動産の売却は、原則として非課税

税法でいう生活用動産は、日常生活で使う資産のうち、貴金属や書画骨董などを除いたものです。非課税の線引きは、次の1点だけ。

  • 1個または1組の売却価額が30万円以下

30万円は、売った合計額ではありません。工具1個、または1組ごとの値段で見ます。インパクトドライバー、ハンマドリル、丸ノコを同じ日に売ったとします。それぞれが30万円以下なら、合計が30万円を超えても非課税です。

1組は、本体とバッテリー、充電器のように、ふつう一体で取引されるセット品。業者へフルセットで売るなら、セットの金額で判断します。付属品を分けて売るかどうかは、バッテリー・充電器は本体と一緒に売るべきかで書きました。

買った時より安く売れて損が出ても、非課税の範囲なら申告は不要です。その損を、給料など他の所得から引くことはできません。

30万円を超える工具は、譲渡所得の計算が必要

1個または1組で30万円を超えるものは、非課税の対象外です。高額な溶接機や大型の発電機が当てはまります。この場合は、次の3ステップで譲渡所得を計算します。

  1. 売った金額を出す
  2. 買った金額から、使った期間の価値の減りを引いた額を出す
  3. 1から2を引き、さらに特別控除の50万円を引く

利益が出ても、特別控除の50万円までは課税されません。30万円を超える工具でも、利益が50万円以内なら税額は0円です。

具体例は、10年前に40万円で買った発電機を35万円で売った場合。買った金額より安いので、利益はゼロ。課税は発生しません。損が出た時の扱いは細かいため、金額が大きければ税務署で聞くのが確実でしょう。

購入時の領収書や保証書は、買った金額の証拠になります。高額な工具を売る予定があるなら、先に探しておいてください。

仕事の道具や転売目的は、扱いが変わる

非課税になるのは、生活用の動産だけです。次の3つのどれかに当たると、生活用動産から外れることもあるでしょう。

  • 仕事で使い、経費にしてきた工具
  • 売るために仕入れた工具
  • 売買を繰り返して収入を得ている場合

職人の方が道具を減価償却してきたなら、売却額は事業の収入として扱われる可能性があります。個人事業主が廃業して工具を整理する時も同じ。帳簿に残る価額との差額が、事業の所得に入るかどうかを見る必要があります。廃業時の整理の順番は、廃業する職人は、工具をどう整理するかにまとめました。

フリマアプリで安く仕入れ、利益を乗せて繰り返し売るケースもあります。継続した収入とみなされれば、雑所得や事業所得になります。給与のほかに年20万円を超える所得があると、申告が必要になる人もいます。

反復売買かどうかは、回数だけでは決まりません。仕入れの有無、継続性、規模などを合わせて判断されます。自分が当てはまりそうなら、具体的な数字を持って税務署か税理士に相談してください。

申告が必要か迷った時の4つの確認

迷った時は、次の順に当てはめると整理できます。

  1. 売ったのは、自分が生活やDIYで使っていた工具か
  2. 1個または1組の売却額は30万円以下か
  3. 経費にしたことのある事業用の道具ではないか
  4. 売るために仕入れたものではないか

4つとも問題なければ、申告は原則いりません。1つでも引っかかったら、売却額、買った金額と時期、業者の買取明細を集めてください。そのうえで、税務署に相談する流れになります。

買取業者へ売れば明細が残り、フリマでも取引履歴が残ります。売却額は後から調べられるので、記録は捨てないほうが安全でしょう。売り方による違いは、工具の買取と下取り、フリマは何が違うかで比べています。

遺品として受け継いだ工具を売る場合は、相続の手続きが別に関わることがあります。遺品整理で出てきた電動工具は、売れるかもあわせて読むと整理しやすいでしょう。

工具相場ドットコムは、出典つきの相場を幅のまま並べる中立のデータベースです。売る前に相場を調べ、手元に記録を残しておけば、税の判断もしやすくなります。

よくある質問

Q. フリマアプリで工具を数台売りました。確定申告は必要ですか

DIYで使った自分の工具を、1個ずつ30万円以下で売った場合。原則として申告は不要です。売るために仕入れた工具が混ざっていたり、継続的に売っていたりすると、扱いが変わります。迷う時は、税務署か税理士に相談してください。

Q. 会社員です。工具の売却益が20万円を超えたら申告が必要ですか

給与所得者には、給与以外の所得が年20万円以下なら申告不要という仕組みがあります。ただ、生活用動産の売却益は、そもそも課税されません。この仕組みを気にするのは、仕事の道具や転売による所得がある人だけです。

Q. 買取業者に売る時、本人確認や書類は必要ですか

古物営業法により、業者は売り手の本人確認をします。運転免許証などの身分証を求められるのがふつうです。税金の申告用の書類を業者が出すわけではないので、買取明細や金額の記録は自分で保管してください。

Q. 去年売った工具の申告を忘れていました。どうすればいいですか

生活用動産で、1個または1組が30万円以下なら、そもそも申告は不要でした。30万円を超えていたり、事業用だったりして申告が必要だった可能性があるなら、早めに税務署へ相談してください。期限後の申告も受け付けてもらえます。

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